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ザメンホフ祭2016の報告

山口眞一

2016年12月17日(土)、名古屋エスペラントセンター(NEC)主催のザメンホフ祭が開催されました。参加者は17人で例年より若干少なめでした。場所はNEC事務所で、ふだんは会議や学習会などに使用していますが、20名程度の参加にはちょうどよい広さなので、ここ数年ザメンホフ祭会場として使用しています。自前の事務所で集会ができるのはありがたいことです。

主なプログラムは次の通り。

電子紙芝居"Gon-Vulpo"。2004年に第91回日本エスペラント大会が犬山市で開催された際に、NECは"Gon-Vulpo kaj aliaj rakontoj"を記念に出版しました。そのお話"Gon-Vulpo"(ごんぎつね)を、紙芝居風に、プレゼンテーションソフトを使ってプロジェクタで映し、山田義さんが朗読しました。絵は市販の紙芝居のものを利用しましたが、元の16枚の絵を単に静止画として映すだけでなく、多少の動きをつけ工夫を加えてアレンジしました(山田さんの技術です)。「電子紙芝居」では絵を大きく見せることができるため、大勢が集まるときには有効だと思われます。

本の紹介では、三人の方にお願いして語っていただきました。鈴木善彦さんは、NECが1976年に出版した"Por Pli da Kantado"を。これは、今年7月に亡くなった磯部晶策さんが編集責任者となって出版された歌集で、鈴木さんはその編集グループの一員でした。またこの歌集は今回の参加者には記念品として無料で頒布されました。続いて伊藤俊彦さんは時事問題を扱った"Krimeo estas nia - Reveno de la Imperio"、と作家Trevor Steeleの自伝"Konvinka kamuflaĵo"の二冊を、そして前田可一さんは短編小説集"La Viro el la Pasinteco"を紹介しました。なお、これらについては当日配布したパンフレットに書評を掲載しています。(パンフレットPDF版を読む

エスペラントによる10分間スピーチでは、猪飼吉計さんは"La Nova Testamento en la greklingva originalo"、堀田裕彦さんは"Pri KER(CEFR)"というテーマで話していただきました。KER(Komuna Eŭropa Referenckadro)は英語でCEFR(Common European Framework of Reference)、日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」といって、ヨーロッパ全体で外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドラインです。エスペラントにもこのガイドラインが適用され、レベルを測定するためのKER試験が世界各地で実施されはじめている、とのことでした。

「世界エスペラント大会の楽しみ」では、黒柳吉隆さんが過去三回の世界エスペラント大会(ハノイ、レイキャビク、リール)に参加した際に撮った動画を見せながら、大会の主なプログラムの魅力や参加者の交流の様子を紹介しました。来年の世界大会はソウルにて開催なので、大勢の参加が期待されます。

最後に、磯部晶策さんを偲びつつ、歌集"Por Pli da Kantado"より、磯部さんが訳詩した"Ekirinte al Bembaŝa"というボスニア民謡を全員で合唱しました。


続く第二部は場所を居酒屋「ホームメイドキッチンぽろ」に移し、9人が引き続き歓談しました。

今回のザメンホフ祭では比較的少人数であったため和気藹々とした雰囲気でしたが、本当はもっと沢山の人に参加してもらいたかったと思います。ほとんどの参加者が常連であった中、初めてNECのザメンホフ祭に参加してくださった方がお一人あり、ありがたいことにこれを機にNECにも入会して下さいました。

来年のザメンホフ祭は、今までとはやや趣を変えた催しにしたいと企画担当者(山口眞一)は考えています。

集合写真


参考資料:広報チラシ パンフレット

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