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Tra La Gazetaro

エスペラントや「ことば」をめぐる活発な論議

エスペラントや「ことば」をめぐる論文や対談で、最近見かけたものです。執筆者はいずれも名古屋にゆかりの深い方たちです。とりあえず執筆者、タイトル、掲載紙・誌等の情報のみを。(伊藤俊彦)

○木村護郎クリストフ「ことばの身体性」
中日新聞2001年8月1日夕刊掲載。
○木村護郎クリストフ、山本真弓「隣人から異文化が始まる」(対談)
『国際交流』第92号、2001年7月(国際交流基金発行、季刊)掲載。
○三浦伸夫「文明史の中の交流言語−国際語パラダイムから民際語パラダイムへ」
『比較文明』16、2000年(比較文明学会)掲載。
○『社会言語学』1、2001年8月(「社会言語学」刊行会)
  • 木村護郎「言語は自然現象か−言語権の根拠を問う」
  • 角谷英則「言語差別とエスペラント」
  • ヤマダカント「大言語話者による小言語学習/教育/研究の陥穽−「ありがたられ効果」という用語の提案」など、論文・書評掲載。
(センターに寄贈していただきました。ありがとうございました。)

同時多発テロに対するエスペラント雑誌の反響

9月11日の同時多発テロに対する反響、意見があちこちのエスペラント雑誌に掲載されています。編集スケジュールの関係もあってか、まだ本格的な論評までは出ていないようですが、とりあえず目についた記事をかいつまんでご紹介します。なお、エスペラントのメーリングリストのERAJなどでは、活発な情報・意見交換が行われています。(IT)

○ESPERANTO 誌9月号
UEA、TEJO、SATや、各国のエスペラント会や有志が、アメリカのエスペランチストに向けて哀悼のメッセージを送ったことが報じられています。それらのメッセージではテロリズムを非難するとともに、報復攻撃も、民族間の紛争を解決するものではないと主張していると述べられています。また、現場の近くに居合わせたウルリッヒ・ベッカー氏の体験談も掲載(p2。無署名)。
○Monato 誌10月号
シュテファン・マウル編集長が、「神の名において殺戮する」と題して、同時多発テロを論じています。一読して印象づけられるのは、イスラムに対する強烈な非難です。いわく、イスラムの神は大宗教のうちで最も好戦的である、イスラムは中世的な蒙昧主義に転落した、イスラムは、キリスト教とは異なって自己改革、発展ができず、民主主義とは絶対的に無縁である、云々というのです。ハーレムを引き合いに出して、「宗教的に祝福された売春宿」だとさえ評しています。同時多発テロに激しい衝撃を受け、憤激のあまり、ついイスラムに対する西欧人の意識がモロに出てしまったという感じの文章です。マウル氏は、この文章を「神よ、われわれをイスラムから守りたまえ」と結んでいます(p5)。
○La Ondo de Esperanto (ロシア)誌10月号
同誌の編集者が9月15日現在で、同時多発テロに対する意見とともに、犠牲者に対する追悼の意を表しています。また、UEAのワシントンのデレギートからのメールを紹介しています。彼は、戦争による応答は問題を解決しないと述べているということです(p2)。