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エスペラントの創案者ザメンホフの160年目の誕生日を祝う “Zamenhofa Festo 2019” を12月14日(土)に開催した。会場は岩倉市にある「えほんのもり」で、ここはセンター会員の伊藤俊彦・順子夫妻が運営する私設図書館。オカリナの演奏、シドニーとのスカイプ交信、講演など盛りだくさんな企画を楽しんだあと、会場を変えて夕食会を行った。司会進行は山田義さんと伊藤順子さん。参加者は延べ32名。
最初のプログラムはオカリナ演奏。おそろいの衣装に身を包んだオカリナ四重奏団ボーネ・アミーケは20本ほどの大小さまざまのオカリナを使い分け、時にはピアノも加えた高度な演奏を披露。「アビニョンの橋の上で」、「くるみ割り人形」、「宇宙戦艦ヤマト」など多彩な選曲と明るい雰囲気で参加者を楽しませてくれた。
シドニー(名古屋の姉妹都市)のエスペラント会でも、この日ちょうどザメンホフ祭を行うので、スカイプで両会場を結んで交流した。堀田裕彦さんが機材を持ち込んで準備し、シドニーの代表者に続いて、会場に集まった何人かがあいさつしてくれた。こちらからは会場の様子を手持ちカメラで撮影し、山口眞一さんが来年の名古屋での2020年日本エスペラント大会の予告と参加を勧めた。
続いてエスペラントで歌う時間となり、山田義さんが “Esperanto estas la lingvo por ni!” の歌詞について説明したのち、ボーネ・アミーケの伴奏で参加者全員が歌った。話が長くなり、残念ながらシドニーには聞いてもらえなかった。あとの夕食会でもこの曲を歌ったこともあり、この歌の繰り返しが耳に残っている、というメールが翌日、参加者のひとりから寄せられた。
歌が終わったところで集合写真。書架に並ぶ絵本をバックに、ザメンホフ祭らしい笑顔いっぱいの写真ができた。撮影した堀田さんが写っていないのが残念。
続く講演の講師は名古屋エスペラントセンターの会員でもある清水美穂さん。伊藤俊彦さんが講師を紹介。講師は大学卒業後、旧ユーゴスラヴィアのザグレブ大学への留学以来、とりわけボスニア・ヘルツェゴヴィナとの深い関りを持ってきた歴史研究家。講演では、まず当地に関わるクイズから始まり、参加者全員に10ディナール紙幣がプレゼントされた。これは1991年のボスニア・ヘルツェゴヴィナの独立の翌年に発行された貴重なもの。今回の講演のためにボスニアなどでエスペラント運動の事情を取材した成果を大きな地図で地名を指し示しながら語ってくれた。旧ユーゴスラヴィア時代から内戦期そして現在に至るエスぺラント運動の消長や、エスペラントが持ちうる意味などを語り、興味深い講演であった。手元のスマホを触っていた永瀬義勝さんが自分の知人から受信したというメールを披露した。相手は講師もよく知るクロアチアのスポメンカさんで、そのタイミングの良さに講師も大喜びした。
中山昭子さんが、司会者であり会場の「えほんのもり」の運営者でもある伊藤順子作の絵本『しっぽがわらう』をページを繰って詳しく紹介した。「本の日」とも言われるザメンホフ祭にふさわしい飛び入りだった。
締めくくりとして山田義さんが参加者交流の場を設けるつもりで準備していた生花をみんなに手渡すこととなり、演奏者、講師に続いてまず女性に赤いカーネーションを手渡した。当初、日ごろ地道にエスペラント活動をしている女性たちを励ますための企画だったが、数日前から不公平だ、性差別だという批判があり、悩んだ末の企画となった。
プログラム終了後、会場から徒歩10分ほどの日本料理店「松月」へ移動し、広い和室に置かれたテーブルに着席して夕食会が始まった。食事の前にまずはビンゴを行い、伊藤順子さんが準備したきれいな手作りのビンゴカードと包装された賞品を前に手際よく進め、大いに盛り上がったのち、食事に移り、名古屋コーチンの料理を満喫しながら談論風発した。余裕があったにもかかわらず、自己紹介などの交流の時間を設けなかったのは、慣れぬ企画者の不手際だった。締めくくりに名古屋エスペラントセンター委員長山口眞一さんの挨拶があり、再会を約して解散となった。