行事案内・報告

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日本大会の報告と反省点

鈴木 善彦

去る 10 月22 日から 24 日にかけて 犬山市 で開催された第 91 回日本エスペラント大会に対して、名古屋エスペラントセンターは組織として直接運営に加わることはなかった。ただ、記念出版の刊行、書籍販売など、側面からいくつかの協力を行なったので、その経緯及び結果について報告したい。

準備委員としての関わり

今年度のセンター委員 8名のうち 4名が、大会準備委員(LKK)として大会の運営を支えており、センターの日常的活動の活力の多くを日本大会のために使うこととなった。大会の運営がスムーズに行われ、高い評価を受けたのは、準備委員の皆さんすべての力の結集のたまものであるが、少なからぬセンターの委員及び会員の方が準備委員に加わっていたことは、センターとしても嬉しいことである。

記念出版について

大会に直接関与した点としては、大会の記念出版である GON-VULPO を、センターで発行したことがあげられる。大会準備委員会では、愛知県での大会にふさわしいものとして、愛知県の生んだ童話作家新美南吉の童話のエスペラント訳を記念出版物とすることが決定され、センターにその出版が委ねられた。山口真一がほとんど独力で、訳者の選定・折衝、挿絵制作者・印刷所との連絡調整等を行い、大会直前に完成した。久しぶりのセンターの出版物であり、今後、販売方法等を考えたい。

書籍販売について

日本大会で書籍販売大会のサロンでの書籍販売は、大会を盛り上げる上で重要なものである。JEIと販売図書が重複しないよう事前に調整し、JEIが机 10 脚、センターが机 11 脚で書籍の販売を行なった。 22 日の午前中に、湯浅・鈴木の二人でセンターから本を運んだ。台車がなかったので、作業が大変であった。

机1脚の上に古書を積み上げ、 50 円から 200 円で販売し、大変好評であった。大会に協賛してセンターが出版した書籍を 2割引で販売したが、思ったほどは売れなかった。 24 日の大会終了後も午後 3時半過ぎまで店を開いていたため、駆け込みで本を買う人が多く、最後まで引き上げなくてよかったと思った瞬間であった。本の販売は鈴木、湯浅、後藤、猪飼、伊藤が適宜交代して行なった。事前に販売担当者や時間等を決めておくことができればよかった。

竹中蔵書展について

大会当日になって、センターのPRを兼ね、猪飼が竹中蔵書展を企画し、「水害を乗り越えた竹中蔵書展」と銘打ち、日本で出版されたエスペラント辞書の数々を竹中蔵書から机 1脚で展示した。あわせて東京での世界大会に竹中氏が撮影した写真アルバムも展示した。もう少し早くから準備できればよかったが、ユニークな展示で好評であった。

分科会「歌のエスペラント翻訳法」について

センター会員で大会準備委員でもある永瀬氏から、磯部昌策氏による「歌のエスペラント翻訳法」の分科会を日本大会の企画として行ないたい、それができなければ、少なくともセンター主催で行ないたいとの申し入れがあった。委員会としては、準備等について永瀬氏が責任を持つなら、センターの名前を使用してもよい旨、了承した。資料の作成は、鈴木が永瀬氏に依頼され、大会の 2週間前から行なった。

分科会は、 23 日の午後7時から行われる予定であった。ところが、大会初日になって、 kongreslibro に分科会の記載がないことに気がつき、急きょチラシを作り、会場内に張り出すこととなった。準備不足のため、参加者はセンター関係者を中心に 8名と少人数にとどまった。講演の内容が非常にすばらしかっただけに、参加者が少なかったのは残念である。センターの名前を使う場合は、センターとして責任が持てる体制で最初から臨まねばならないと痛切に感じた分科会のてん末であった。


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