通信より

世界大会の印象

岩谷満

世界各地で開かれる大会のうち、名古屋から3時間で行ける都市で開かれることは滅多にありません。北京はチャンスだと思って、一週間の駆け足参加をしました。残念だったのは Unua Bulteno で月曜朝に行われるはずだった開会式が、いつの間にか日曜朝に変わっていて、参加できなかったことです。各国のお偉方が出席して、大会の花と言われる開会式を逃した!

万里の長城にて印象に残ったことは、Nacia Vespero の皿回しや雑技、万里の長城、紫禁城...これじゃあまるで観光旅行ですね。久しく会ったことがなかった日本や韓国のエスペランティストに会えたこと。大会プログラムとしては、インターネットや国際放送の主催者の話を聞けたことです。普段目と耳でしかなじみのなかったことについて、裏方の人々に出会えたのは、世界大会ならではのことでした。     

参加者は2000人を超えたので成功というところですが、2割くらいは中国からの参加で、エスペラントをろくに話せない若者ボランティアが多かったことは、ちょっと寂しい気がします。ここでは、会話ができないと親しくなれないことを痛感しました。

この大会と並行してサッカーのアジア大会が開かれました。日本に帰ってきて、現地中国の競技場での日本選手に対するブーイングのひどさに驚きました。これについて、大会中に知り合った中国人エスペランティストに感想を聞いたら、ホームチームびいきが行き過ぎただけのことで、日本に対する悪意ではないと言われ、少し安心しました。こんな意見を聞けたのも、大会参加のご利益でしょう。

来年、再来年は遠いヨーロッパでの開催で、行けそうにないのが残念です。次の横浜は、私の町でもあるので、皆さん参加してください。

(センター通信 n-ro 240, 2004年9月5日)


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