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この秋は東海地方で28年ぶりに開く第91回日本エスペラント大会です。犬山です。去年の亀岡の閉会式のあいさつに立った出口京太郎さんが「de Testudo al Hundo」ということばを使っていました。散会後ある人が私に、犬と山をエス訳すると hundo と monto ですねという話があり、Hunda Montoから、ザメンホフのFUNDAMENTO DE ESPERANTO を思い出しました。FUNDAMENTO DE ESPERANTOとは、 la 16-regula gramatiko、 la Universala Vortaro、la Ekzercaro の3つであると、今から99年前にザメンホフが書いています。Hunda Monto de Esperanto は動き出しています。
瀬戸から28年。前回東海地方で開かれた日本大会は1976年の「第63回・瀬戸」でした。28を加算すると91となります。第91回日本エスペラント大会の準備状況をお知らせします。
「第63回」は1976年8月に瀬戸の愛知県労働者研修センターで468人の参加で開かれました。丹羽正久さんが中心になって開催されたと覚えています。テーマは、"Pli da interpopola korespondo por pli bona interkompreniĝo" でした。当時の記録を見ると、イギリス、ポーランド、韓国、ドイツからの参加者がありました。エスペラントの合唱で始まったが歌がうまくなかったという批評が残っています。配布された大会記念の"Por pli da kantado" という歌集を使ったプログラムがありましたが、歌い慣れない選曲で不評だったようです。好評だったのは、日曜日の早朝は定光寺辺りの散歩があり早起きの人たちが満足した会場周辺でした。Oratora Konkurso もありました。
そして28年が過ぎ、犬山大会のテーマは、去年の2月の実行委員会で "Ĝoju kaj Kunvivu Esperante"「エスペラント語で共に生きる歓びを」と決まりました。
外国人参加者は28年前よりかなり多くなることを期待しています。3月には役員3人で犬山市の石田芳弘市長に開会式への出席をお願いするために市長室を訪ねました。石田市長は、国際会議観光都市犬山市ということで犬山国際観光センター「フロイデ」を利用した国際会議の利用を喜んでくれました。
第91回日本エスペラント大会実行委員会(91JK/LKK)では早い時期から、犬山市の姉妹都市や友好都市にエスペランティストがいるのかどうかを調べました。(1)ライン川の河畔にある、ローレライ伝説で有名な観光都市ドイツ・ザンクト・ゴアルスハウゼン市がひとつ。(2)犬山市の友好都市の一つ、中国の湖北省襄樊(じょうはん)市は人口約670万人の大都市ですがエスペランティストいないようでした。(3)アメリカ・カリフォルニア州デービス市は姉妹都市です。マラソンを通しての交流がなされています。この町にエスペランティストが見つかりました。その町のIntrnacia Davis Esperanto-Asocio (IDEA) の会長 Henry STUDER ヘンリー・ストゥダさんはEsperantoの普及にも、犬山市との交流にも力を入れている人だということが分かりました。すでに犬山市民とEsperantoで文通もしています。2年前の「フロイデまつり」には、市民宛の丁寧なメッセージを寄せていただき、エスペラントのスタンドに来た市民に配布しました。Henry STUDERさんに日本大会を犬山で開くことを知らせぜひ参加をと呼び掛けたところ、参加 を約束してくれました。
ロシアの若いロシア人ピアニストのアンドレイ・コロベイニコフさんが参加します。 黒柳さん夫妻は世界大会でこの青年のピアノとEsperantoをすでに聴いており良い印象を持っています。フロイデホールで音楽会をお楽しみください。
来年2005年の世界エスペラント大会はリトアニアで開かれます。そこで、開催国リトアニアの駐日大使を招いたらどうかという提案があり、財団法人日本エスペラント学会JEIの協力もあって東京の大使館を米川五郎さんと黒柳吉隆さんが訪問しました。大使館では、アルギルダス・クジス駐日大使のご出席を快く引き受けてもらいました。北海道大学で学んだことのある方で日本語は堪能でいらっしゃるとのことです。大使館には、90回UKが首都ビリニュス Vilno で開かれることと、今年の日本大会の大会遠足は、犬山からバスで岐阜県八百津町にある杉原千畝記念館へ行くことなどを伝えました。(杉原千畝はリトアニアのカウナス領事館に副領事として勤務していたとき、ナチスによる迫害を逃れてきたユダヤ系避難民に対して日本通過のためのビザを発給した外交官です。)開会式の後半には大使がリトアニア語で短くあいさつしそれをリトアニア人エスペランティストが通訳、あとは大使はリトアニアについて日本語で講演してくださいます。日本語が分からないエスペランティストのためにEsperantoで要約を入れます。演題は「リトアニアと日本・ザメンホフの時代・千畝の時代・現代」。
黒柳吉隆さんが去年のスウェーデンのイェーテボリGotenburgo市でのUKに参加した際、リトアニアから来ていたリトアニアエスペラント協会会長のPovilas JEGOROVAS さんを探し出しました。駐日大使にEsperantoについて連絡をしてくれればいいが思っていましたが、そのご本人がわざわざ犬山大会のためにやって来ることになりました。きれいは聴き取りやすいEsperantoでリトアニアUKについて聞くプログラムがあります。演題は、「首都ビリニュスで開かれる来年の世界エスペラント大会への招待」。
犬山では初心者サロンを土曜日と日曜日に設定します。Esperantoの初級会話ばかりではなく、例えばUK参加の仕方や楽しみ方、PasportaServo の経験談、外国人旅行者の受け入れの経験談、文通やe-メールを通しての交流などを披露してもらいます、聞く方も話す方も楽しみなサロンになるでしょう。
呈茶サービスは(土)(日)の午前中を予定しています。国宝茶室如庵(じょあん)を模した大会会場4階の茶室で、茶道の藤本日出子さんがエスペラントで話しながらお茶を点てます。犬山ならではの本格的なお点前を味わってもらえそうです。
この4月までには、後援依頼も、愛知県、愛知県教育委員会、犬山市、犬山教育委員会から承諾をもらえました。
2階の大会サロンではのLibroservo については名古屋エスペラントセンターにアレンジをお願いするよう、鈴木善彦さんと連絡が取れています。
今回の犬山のあとは横浜が92回大会をすでに準備を進めています。閉会式では緑星旗受け渡しができます。横浜の後には、日本のEsperanto運動100周年にあたる2006年に日本大会を岡山に内定しています。そして、今年の北京でのUKで正式に決定されることになっていますが、2007年にはヨコハマで世界エスペラント大会が日本で開かれることになりそうです。
犬山祭りは元来は春のものだそうですが、今年は秋祭りが日本大会と同じ日に催されます。犬山城辺りの古い通りを山車(だし)が練り歩きますが、大会会場となる犬山国際観光センター「フロイデ」からは離れています。土曜日の夜は公式バンケードを準備していませんので、秋祭りの提灯の山車を見ながら古い町で夕食を取る大会参加者もいると思います。犬山祭りの開会式(犬山城の前)でヘンリー・ストゥダさん(姉妹都市デービスから)がエスペラントで市民にあいさつしできるように設定準備中です。夜山車(よやま)を見ながら夜店などを楽しめます。
フロイデまつりというのは毎年11月に行われる犬山国際観光センター「フロイデ」を会場に国際交流などのにぎやかな市民のまつりです。91JK/LKKもすでに2回そこに参加しエスペラントのスタンドを設けエスペラントの宣伝をしています。今年の10月の犬山大会が終わっても、その翌月のフロイデまつりに参加し、日本大会の様子を知らせながら犬山市民にエスペラントを浸透させていきます。
91JK/LKKでは、今年も市民にエスペラントをということで、犬山Esperanto講座を開いています。5月9日(日)から毎日曜日19時から21時まで8回の講座です。教室は犬山国際観光センター「フロイデ」を利用します。講師は黒柳吉隆さんが担当します。Hunda Monto de Esperantoを目指して、犬山市にEsperantoのロンドができるのを応援しようとしています。
大会遠足「杉原千畝記念館を訪ねる」は申込者多数で大型バス2台を出すことになりました。受付は終了しました。遠足に申し込んだ方は10月22日(金)13時に名鉄犬山駅東出口に集合してください。大会会場帰着は16時の予定です。「杉原千畝をたたえる会会報第」第9号、2004年春号には、安藤富雄という人が書いています。昨年のポーランド・リトアニア旅行と題して。その中に、ワルシャワでの事に触れ、「現在のザメンホフ通りにあるゲットー蜂起記念館前で(現地在住の)松本照男さんから蜂起の説明を聞いた後、トレブリンカ絶滅収容所へ送られる列車の出発地ウムシュラークプラッツ(積み替え地)まで、ユダヤ人がゲットーから行進した道に沿って私たちも歩いてみました。…」次の訪問先カウナスでは、杉原千畝領事がいた旧日本領事館の「杉原記念館」も訪ねたとのことです。
猪飼吉計さんによる "HUMANA AGADO DE SUGIHARA TIUNE" (杉原千畝に関する小冊子「愛の決断」)のエスペラント訳と作成の作業は進んでいます。B5版、20ページ、モノクロ写真挿入の本になります。遠足に参加しない方は大会会場で入手できます。この冊子は、八百津だけではなく、カウナスの記念館にも贈呈したいと思っています。
最後に最近の実行委員会のメンバーを紹介します。
Akira・長谷川勉・藤木修三・猪飼吉計・糸魚川美樹・山田義・黒柳吉隆・黒柳文子・松本祐子・永瀬義勝・斎木昌代・山田富久子・山田シマ子・山本修・米川五郎
日本大会常置委員会(KKK)から土居智江子さんがときどき会議に出てくれています。
実行委員会の会議は原則として2か月おきに開いてきました。この5月には14回目の委員会を開きました。今の委員に協力者を加えた拡大委員会を大会会場の犬山国際観光センター「フロイデ」で開きました。
(センター通信 n-ro 239, 2004年5月31日)